最終話考。

昨晩は読み終えた後、えー！えー！なにコレなにコレー！ぎゃー！とか叫びながらばふんばふんと布団につっぷし熊のようにウロウロと部屋をうろつきまわったあげくどうしても動悸がおさまらないのでビール２缶空けたんですけどやっぱり頭の中が暴走状態で朝起きたらちょっと二日酔い気味でした。

まだかるく頭の中がぐるぐるしてますが（二日酔いのせいではない）、ちょっと気を落ち着かせるためにもまとまらない感想を書いてみようかと思います。なんかもう全然まとまってないのできもちわるい感じになっちゃうと思いますが先に言っておきますのでよろしく。
あと最終回を知らない人はたぶんここを読んでる方にはあまりいらっしゃらないと思いますが、もしいらしたらネタバレ全開なのでご注意ください。

昨日も書きましたけど、私、里中が母親の病気で明訓を中退するのも、大甲子園でまた戻ってくるのも知ってたんですよ。でもね、ああ、そっか、里中が明訓を去る話が最終話で、しかも最終話がその話だけで終わるとは思ってなかったんですよ。
あ、そうか。だからすごい衝撃的だったんだ。だって主人公誰よって勢いで里中が主役なんだもん（ ゜- ゜；。ちょっとあれどうよ。どうなの「ドカベン」の最終話として。あれって有りなの。いやわたし的にはもう有りも有り、感動と衝撃の最終話なんですけど、って、そういや里中が主役っていうのも微妙に違うような…岩鬼か？　←

あの最終話って、青春が終わるまさにその瞬間を切り取ってるんですよね。だから、主役は青春。終わったのは連載じゃなくて青春。里中の青春はまぎれもなくあの瞬間終わり、きっと山田や岩鬼や殿馬の青春もあの瞬間終わっちゃったんじゃないのかな。二度と戻らない時間だから青春。

里中が、あの野球馬鹿の里中が、野球を捨てて母親を選んだ瞬間、「馬鹿」であることをやめてしまったんですよね。ドカベンという漫画は、そういう意味で根っから馬鹿礼賛漫画で、馬鹿であれ！！と大声で叫んでいるようなところがあって、たとえいわき東高校が貧しい地元に明るさを与えたいという切実な思いを抱えていたって大いなる馬鹿・岩鬼の前には涙を飲むしかないとか（笑）ある意味とてもひどい話なんですが、むしろそこがドカベンという漫画の爽快感の源泉であって、常識だとか良識だとかそんなもんはべらんめえ！ってなもんで、そういう世間のしがらみを振り払ったところになんかいいモンがあるだろ？！って、なんか元気が出るじゃねぇか、って笑ってるような、抜けるような明るさがあるんですね。

でも、その底抜けの明るさを根底からひっくり返すような、いきなり現実にかえすようなことを最終話でやってるわけですよ。「こうなってみると楽しい思い出ばかりだな」と。よりによって里中に言わせることで、ああこの無心に馬鹿をやれたこの時間は、青春という名の二度とない時間だったのだ、と、明訓野球部全員、そしてなにより読者が気付いてしまうという。

ここに至るまでの過程がまたひどくて（笑）、山田太郎は６連続ホーマーですか、どこに行っても大人気、っていうよりすでに国民的な人気者、ちょっと前は里中くーん！て叫んでた女の子も山田くんかわいい～♪なんてきゃあきゃあ騒ぐ始末で、家には取材が押し寄せるし、その上試合ではヒットにホームラン、好捕手としても大活躍、新３年生ですでに１億円プレーヤーと呼び声高くその姿をひと目見んがために甲子園球場は暴動寸前の大騒動～なんて煽りまくったあげく、その前途明るすぎな主人公の影に隠れるように、里中は実は古い木賃アパートに母一人子一人の貧しい暮らしで、それまでも苦しい家計を借金しながらやりくりしていたけれどとうとうお母さんが病気で療養へ出なければならず、おれが働くよ云々と、なんですかこれは。なにこのやりすぎな明暗は。この里中のサクリファイスっぷりに目眩がしましたよ。山田をさんざん持ち上げておいて里中にこの仕打ち！（笑）　そりゃ里中に目が行きますよ。この期に及んで里中にスポットを当てるんですか？なんで？もうびっくりですよ。しかも、投手が投げられないことがどれだけ辛いかお前にわかるか！とまで里中に言わせておいてその里中に野球を捨てさせるんだぜ！どんだけ鬼だよ！みーずーしーまー先生～！！すてきーーー！！

はぁ、はぁ・・・いや、あのね、すみません、やっぱり興奮しすぎだわ（笑）。恥ずかしくなったら後で消します。すみません。予防線はるのは男らしくないぜ！

いや、もう、ほんとに。大甲子園でない続きをつい考えてしまいますよ。山田は順調にプロになって、里中はいずこかで汗水たらして働きながら新聞とかＴＶでかつての相棒の栄光に輝く姿を見るんだぜーでも母さんはやっぱり病気で側についていてやりたくて、俺はもう何年硬球を握ってないかな、なんて・・・ああもう切ない切ない切ない（ ´Д⊂ヽ　山田は山田でいつまでも里中のことを忘れられなくてアンダースローの選手を見る度に胸が詰まるような思いをしてたりなんかして、違う里中のフォームはもっと美しかった！なんてどんどん記憶が美化されていったりして（笑）、ああもう切ない切ない切ない（ ´Д⊂ヽ　どこかにそういう２次創作ありませんか全力で読みに行きます。大甲子園もプロ野球編もＳＳ編もきっと山田が見ている長い長い夢なんだよ・・・！とか不穏なことを言い散らかして逃げます。書いたら結構すっきりした・・・。うっかり最後まで読んじゃった方どうもすみませんでした。